私の友達であるクリストファー・グリフィンさんはカナダ首都オタワ市に住むアーティスト。そしてエコライフにとことんこだわるカナダ人だ。1901年(築100年以上前!)にお菓子屋さんとして建てられたビルディングを購入して省エネ・エコ型住宅に大変身させるプロジェクトに挑んだ。

当時100年以上前に建てられた建物はお菓子屋だったが、長年の間にその建物はコンビニストア、郵便局、そして貸家などあらゆる用途で利用されたようだ。今回のリノベーションに関わった建築家であるリーブス氏は「窓の配置は気まぐれにされているし、まるでネコまんまのように全ての建材がごちゃ混ぜにされていてデザイン性において統一性が全くなかった」と語っている。

グリフィンさんの要望により外装はコンクリート仕上げだ。といってもRC構造ではなく構造体は木造で外壁をコンクリート仕上げにしているだけ。外壁に利用されているコンクリートにもグリフィンさんは気を遣ってフライアッシュを利用した。フライアッシュとは石炭が燃焼された時に生じる灰で石炭を燃料をしている火力発電所などから大量に生成される。それをセメントと混合させる事によりコンクリートの性質が改善されるらしい。印象深いのはそのコンクリート外壁にグリフィンさんは彼のアートを彫り込まれている。それぞれの方位にはテーマがあり東面は「空」、西面は「水」、南面は「火」、北面は「地」とそれにあった動物の絵が彫り込まれている。

 

 

エコライフにこだわるグリフィンさんは建材もできるだけ再利用しようと決めていた。フローリング、内装ドア、キッチンキャビネット、照明の一部は当時解体作業が行われていたオランダ大使館から頂いたものだ。キッチンにあった棚やシンクもレストランから頂いたものらしい。「これらの建材は再利用しないと、ゴミ処理場行きで環境に悪影響を与える。昔の職人が作った建具はいまでも立派さ、きちんと手入れすると使えるし。今ではもう買えやしない、昔ながらの姿が残っているよ」とグリフィンさんは自慢げに建材を見せてくれた。

コンクリート外壁のアクセントとして使われている木製サイディングもじつは昔の地下室の床材として使われてたものを再利用した。

 

 

 

 

グリフィンさんのエコへのこだわりはこれでは終わらない。外部照明にはLEDライト、グリーンルーフには太陽熱給湯システムが設置されている。家庭で使われる電気だってすべて風量発電されたエネルギーを利用している。

 

 

外壁を歩き回り南面をみるとなにか年代と名前がコンクリートに刻み込まれていた。「これは僕が刻みこんだんだ」とグリフィンさんは語ってくれた。「我々居住者としてこの建物にいられるのはある限られた期間だけだよね。昔、ここに住んでいた人たちのそれぞれの思い出を残して去っていったんだろう。建物を大変身させる時に、彼らの名前を刻んで建物の歴史を認知してもらうのは僕にとって大事だったんだ」

これはグリフィンさんが信念をもっているエコライフ、そして芸術が表現されている唯一の建物。多くの方から評価されている。「スケートボードにのった小学生がこの建物をみて ”この建物いかすね!”って言ってくれるよ」と微笑みを浮かべながら語ってくれた。